着物はサステイナブルだった?着物でSDGsを考えよう!
地域、国、そして地球の未来のために、持続可能な社会を目指すSDGs。これは193の国連加盟国によって採択され、世界中でサステイナブル(持続可能な)を意識した取り組みが行われています。
特に京都では、日本経済新聞の「SDGs先進度調査」で京都市が第2位(前回1位)に選ばれたことなどからも、積極的に活動を行なっていることがわかります。
この動きの中では自分達に何ができるのかを考え、どのような行動を取るのかが重要です。
被服においても、購入者として、生産者として、持続可能な社会を作るためにできる事はたくさんあります。
その「行動」の一つとして、着物に注目してみませんか?
着物はとってもサステイナブルな衣服です。
西陣の帯メーカーとして、もっと沢山の人にこの事実を知ってもらいたいという思いから、この記事では着物のサステイナビリティについて書いていきたいと思います。
SDGsって?
まずはSDGsについておさらいです。
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月、国連サミットで採択された
「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」
にて、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、宣言および目標をかかげたものです。17の目標と169のターゲットからなります。(国際連合広報センター参照)
この17つの中で衣服に関係するものは、主に
10:人や国の不平等をなくそう
12:つくる責任、つかう責任
15:陸の豊かさも守ろう
となるのではないでしょうか。
ファッション業界とSDGsの関係
ファッション業界には問題が多くあります。
[アパレル企業の深刻な労働問題]
多くのアパレル企業では途上国へ仕事の提供をしていますが、同時に低コストで生産をするために低賃金で長時間労働をさせるため、劣悪な労働環境が問題となっています。
また繊維の原材料であるコットンの生産における過酷な労働の実態が明るみになり、ニュースなどで読んだという人も多いのではないでしょうか?
最近では労働者の人権を守るために環境を改善するブランドも増えてきましたが、まだまだ改善の余地は多くありそうです。
[環境に悪影響を及ぼすファストファッション]
アパレル企業の多くは大量生産・大量消費がデフォルトになっています。全世界で生産される衣服の5~6割が、袖を通される事なく廃棄されているのです。日本国内だけでも、年間140万トンもの服が捨てられていると言われています。
トレンドの移り変わりが激しいアパレル業界であるため、その時その時の需要に合わせて大量生産が行われているのです。また低コストで作られる服は、消耗するのもそれなりに早く、直す事もなく捨てられてしまいます。
捨てられる服の8割は焼却・埋立処分されています。素材がプラスチックなどの人工物でできていることが多いため、自然に返すこともできないのです。
環境保護のためにも、さらにリサイクルや生産方法の見直しが必要となっています。
着物は超サステイナブルな服!
ここまでファッション業界が抱える問題を見てきましたが、着物であれば、それらの課題を一発で解決してしまいます。理由として、
- 国内で職人の元で生産されること
- 直裁断で作られるため、生産工程で端きれがほとんど出ないこと
- 仕立て直しができること
- 親子何代にも渡って着れるほど長持ちすること
などが挙げられます。
反物に合わせて帯を変えてみたり、アレンジしてみたりすることでバリエーションも豊富になります。
さか井では西陣の帯をお安く提供しているため、着物初心者の方でもお求めいただけやすくなっています。
現段階では和服を着用する機会というのはそんなに多くはないかもしれません。ですが持続可能な社会を作っていく上では被服のあり方を考える事も重要です。その中で、選択肢の1つとして着物を考えてみていただけると嬉しく思います。