西陣織の魅力と特徴とは?京都の技術の宝箱
日本のいろんな場所にある「織」の産地。
その中でも、西陣織は均一的な意匠の特徴でイメージすることができないのも特徴と言えます。
それでも西陣織が世界中から高い評価を得るのはなぜなのでしょうか?その魅力と特徴を探ります。
進化を続けた西陣織の歴史
西陣織の歴史は古く、起源は平安時代に遡ります。渡来人が伝えた養蚕などの技術が元になっていると言われます。
当初から織りが緻密で織物の質が高く、染めも織りも縫いも技術が高度であったために、貴族や豪族の間で使用されていました。
室町時代、14世紀には、京都で生産されていたそれらの織物が「西陣織」と名付けられ、16世紀には、応仁の乱の後に西陣織が広く一般の人々の間で使用されるようになりました。
ただ、荒れた世の中で一旦西陣は衰退しますが、その後18世紀以降に、西陣織は西洋文化の影響を受け、デザインや柄が多様化し再度発展。
19世紀には、西陣織の織機も進化し、大量生産が可能になり、多くの人に愛される織物になったのです。
現在でも西陣織は、伝統的な技術を受け継ぎ一部手仕事を残しながらながら、現代的なデザインや柄を取り入れ、多くの人々に愛されています。
精緻な技術が西陣織の特徴
西陣織は京都(特に西陣地区)を中心に伝統的に行われている織物の技術の総称で、特徴的なのは、絹糸を使用し、職人の染めや織りの技術で様々な模様を表現することができることです。
この技術を活かしたデザイン的な特徴は、鮮やかな色彩・豪華な柄・繊細な織り技術といったところでしょうか。
特に織り方の種類が豊富であり、帯や着物などの指定品から高級な絹織物まで幅広い製品を作り出すことができます。
例えば、錦織・佐賀錦といった方法は機械織が可能で現在では多く使われていますが、綴織(つづれ)という爪掻きで紋様を手仕事の手法も現代でも提供されています。
西陣織を作り出す分業体制
西陣織のでは、織物を作るために必要な数多くの工程を、それぞれの専門の職人によって分業にて分担します。
例えば、弊社のように全体のコントロールや染めや柄の指定、デザインを行う織屋、絹糸を紡ぐ職人、織物に染める職人、織物を縫う職人など、かなり細分化されています。
これにより、それぞれの専門性が高まり、高い品質の製品を作り上げることを可能にしているのです。
西陣織の魅力はこだわりにあり
西陣織の魅力は何と言ってもその織物に対する「こだわり」だと思います。上質な絹・糸などの素材。
そして、伝統的な現代的なデザイン・技術を取り入れ、新しい表現を生み出していることが魅力ではないでしょうか?
その時その時の流行りを吸収し、美しいデザインで人々を魅了しています。
特に西陣織の帯はその技術が評価され、日本だけでなく、世界の中でもブランドとして認知されています。
西陣織を引き立たせる金糸の役割
西陣織の魅力を語る上で、金糸の役割については特に言及する必要があります。
弊社でストックしている金糸だけでもどのくらい種類があるかわからないぐらいの金糸がありますが、この金糸は、織物の装飾として用いられます。
金糸は、織物に輝きを与え、富や威厳を感じさせる効果があります。金糸を使用した織物は高級感があり、豪華な印象を与えるため、西陣織のブランド価値を高めていると言えるでしょう。